キネマ☆キンボシ 特別上映会

松江の市民によって制作された『手作りの映画』 曽田邦之監督作「源助の架け橋」

2024.3.31 Sun 10:00-,14:00

島根県安来市安来町1058番地 和鋼博物館市民ギャラリー

主催 キネマ☆キンボシ

共催 安来市文化協会

後援 安来市、安来市教育委員会、山陰中央新報社、新日本海新聞社、やすぎどじょっこテレビ


3月31日(日)、安来・和鋼博物館(市民ギャラリー)にて上映!
そして・・・曽田監督&ハナフキンプロデューサーによるトークも決定!!

キネマ☆キンボシ Vol.6

歴史的建造物で観る名作映画 ~フリッツ・ラング監督作「クラッシュ・バイ・ナイト」

2024.3.24 Sun 10:00-,14:00

島根県松江市白潟本町 出雲ビル地下1F

―他人の欠点を見るのと同じくらい、自分の欠点を見ないのがいかに簡単か…

―批評家デニス・シュワルツの批評より抜粋

あらすじ

大都会ニューヨークである男の愛人として生活し、男の突然死と正妻との争いの末に遺産すらまともに受け取れず、失意のまま故郷の漁村に帰ってきたメイ(バーバラ・スタンウィック)。

地元で漁師として働く弟ジョー(キース・アンデス)の家に転がり込むが、彼は都会ですれっからしのようになったメイに嫌悪感を抱く。しかし彼の女友達ペギー(マリリン・モンロー)は彼女の都会的な雰囲気に憧れて友達になる。

ジョーの同僚の漁師ジェリー(ポール・ダグラス)は引退した父親や盗みばかり働く叔父と同居する純朴な人間だが、メイに惹かれてデートする。都会のすさんだ生活に嫌気がさしたメイは、田舎者だが素朴なジェリーに安らぎを覚え、彼と結婚する。

一方、メイはジェリーの友人で映写技師として働くアール(ロバート・ライアン)と知り合う。田舎の生活に退屈を感じるアールに、メイは危険な匂いを感じつつ、彼が自分と同じ質の人間であることを感じて惹かれていく…

主演にハリウッドの大女優にして円熟した演技を見せるバーバラ・スタンウィックを迎え、まじめで素朴な漁師ジェリー役にポール・ダグラス、その友人で田舎に退屈している映写技師アール役にロバート・ライアン、そしてこの映画で初めて重要な役を獲得したマリリン・モンローが出演している。

出演:バーバラ・スタンウィック(『ステラ・ダラス』『深夜の告白』『私は殺される』)

 ポール・ダグラス(『重役室』)

 ロバート・ライアン(『史上最大の作戦』『ワイルドバンチ』)

 マリリン・モンロー(『七年目の浮気』『お熱いのがお好き』)

脚本:アルフレッド・ヘイズ

監督:フリッツ・ラング(『メトロポリス』『ドクトル・マブゼ』『M』)

1952年 アメリカ 白黒・日本語字幕 105min 原題:Clash by Night

キネマ☆キンボシ Vol.5 上映会、終了しました

歴史的建造物で観る名作映画 ~フリッツ・ラング監督作「恐怖省」

2024.2.25 Sun 10:00-,14:00

島根県松江市白潟本町 出雲ビル地下1F

本日の『恐怖省』上映会、無事に終了しました。

お越しくださった皆様、誠にありがとうございました。

お客様の感想を、一部掲載させていただきます。

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【70代・女性】

グレアム・グリーン原作ということで、昔読んだのを思い出し(作品名は忘れましたが)懐かしさもあり、参加しました。

【50代・男性】

展開が早くて追うので精一杯でした。ストーリーは楽しめました。白黒の面白さを感じました。ありがとうございました。

【20代・女性】

前々回、前回のフリッツ・ラング作品に比べて、エンタメ色が強く、「映える」シーンが多く感じました。最後まで主人公含め、誰も信じられない構成に引き込まれました。

【50代・不明】

古い映画の面白さに触れることができました。正直なところを言えば眠くなりそうなところもあったのですが、今の映画にない成分があると気づきました。楽しかったです。上映後の感想会で内容をとらえられました。良かったです。

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様々な感想をいただき、ありがとうございました!

また次回の上映でお会いしましょう。

では。

キネマ☆キンボシ Vol.4 上映会、終了しました

歴史的建造物で観る名作映画 ~フリッツ・ラング監督作「死刑執行人もまた死す」

2024.1.21 Sun 10:00-,14:00

島根県松江市白潟本町 出雲ビル地下1F

本日の『死刑執行人もまた死す』上映会、無事に終了しました。

荒天の中お越しくださった皆様、誠にありがとうございました。

お客様の感想を、一部掲載させていただきます。

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【70代・男性】

皆が嘘をつけばそれが真実になる。が、権力者はその上を行く。真実は一つではなく、人の数だけあるといわれる。一人一人の考え方、生き方が最も大切なことだと思います。

【50代・男性】

おもしろかったです。そして白黒の画面が今回も美しかった。最後の「NOT」→「The END」というのは、抵抗は「終わらない」ということなのでしょうか。前回の『M』に続き、独特な後味がありました。

【20代・女性】

影、シルエットの使い方が印象的でした。もう少し人数が増えたら、感想を共有する時間があっても面白そうですね。

【40代・男性】

自分では選択しない映画なので、出会いに感謝。ナチス、レジスタンス、市民、どれかに偏ることなく、丁寧に描かれていて良かった。最後に大きな暴力(ナチス)の怖さが良かった。

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様々な感想をいただき、ありがとうございました!


【主催者感想】

フリッツ・ラング『死刑執行人もまた死す』

※ネタバレ注意でお願いします。

フリッツ・ラングと演劇界の革命児ブレヒトの共同脚本ということで、ブレヒトらしい教化的な内容を残しつつ、ラングの商業映画で鍛えた演出が光る快作でした。ただ、後半の密告者を追い詰める展開の軽妙さと、死刑を待つ教授たちの空気の重さに差があり、観客はどちらに感情を持って行ったらいいか、少しチグハグになるかもしれませんね。

もしこれがブレヒトの思い通りの映画になっていたら、ATGのような、もっと芸術寄りの評価をされていたのかなと…それはそれで観てみたいですね。

今回もラングの演出はキレッキレでした。

冒頭、暗殺のターゲットになるラインハルトの登場シーン。ナチス式敬礼をする部下の前でわざと鞭を落とし、意地悪い表情で観察する。ナチスに対する服従か、それとも自分個人に対する服従かを試す…観客はひと目で「ああ、こいつは野心家で嫌な奴だ」と印象付けられる。

暗殺犯を匿う教授一家と秘密警察ゲシュタポの緊迫したやり取り、捜査という名の暴力と理不尽、密告者を罠にハメる展開の痛快さ。それらの結末に「二つの死」と「後始末(レジスタンスの戦いや人間の命など取るに足らないと言われているような)」が描かれ、怒りの「NOT THE END」で映画は終わる。

役者陣は個性豊かに好演されていました。

特に威厳と優しさを持ち、暴力に屈さぬ凛とした生き様を見せる教授役のW・ブレナン(この映画でアカデミー助演男優賞を受賞。個人的には西部劇の陽気な保安官補佐のイメージがあるので意外でした)、ゲシュタポの珍妙かつ狡猾なグリューバー警部を演じたアレクサンダー・グラナック、後半の展開を一人で引っ張る密告者チャカ役のジーン・ロックハート。

このチャカというキャラクターは気弱で、儲けたいがために同胞を売ったどうしようもない男なんですが、その同胞たちと市民が仕掛けた罠にはめられ、最後は神に祈ることすら許されず射殺される=「必然」。片や、狡猾なグリューバー警部が偶然見つけたヒントから暗殺者スヴォボダが務める病院に聞き込みに行き、ロッカー室で返り討ちにあう=「偶然」。最後の詰めの部分で、まるで「神は我らチェコ人と共にある!」とでも言いたいような、ご都合主義を超える非常に力強い展開がみられます。

史実では、大聖堂に隠れる暗殺者たちをドイツ兵が包囲して殺害、自害に追い込んだとされており、何か意趣返しのようなものを感じますね。

話は逸れますが「史実をもとにしながら、あえて史実から逸れてストーリーを展開し、史実と映画の展開を並べることで観客の感情に訴える」手法は、近年クエンティン・タランティーノが『イングロリアス・バスターズ』や『ワンス・アポン・ア・タイム・ハリウッド』で試みています。

かなり散文的な感想となりましたが、この作品は強いプロパガンダ映画としての性質も持っています。分かりやすい悪役として描かれるナチスの姿を、私たちは後世の日本で笑って鑑賞する心の余裕があるわけですが、最後に大きく表示された「NOT THE END」に、当時のナチスに対する怒りと世界情勢の逼迫さを感じたのでした。


上映会を重ねてはや4回となりましたが、上映後スタッフの方々と話し合い、今後に向けての光明が見えた気がしました。

また次回の上映でお会いしましょう。

では。