6月の上映会 ジャン・コクトー特集②『グレヴァン蝋美術館』『サント・ソスピール荘』 2025.6.29@松江・出雲ビル地下 感想より抜粋

Kinema☆Kinboshi No.19

ジャン・コクトー特集②『サント・ソスピール荘』『グレヴァン蝋美術館』in 出雲ビル地下 感想


20代男性
グレヴァン美術館の作品について。シチュエーション的にはホラーなのに、ホラー的な演出はなされていないというのが興味深かったです。最後は主人公の男の夢?でおわるというのが絶妙なバカらしさを作品にもたらしていて、とても面白いと思いました。

50代男性
『サント・ソスピール荘』はコクトーに作ることに誘われてる気がしました。コクトーが自分のおもむくままに絵を描いてるのを見るとそんな気がします。コクトーの絵を見ると詩や文章で伝わるものと別のものがあるなあと思いました。

50代男性
おもしろかったです。これからもこういう実験的な企画をおねがいします。

匿名希望
2本とも貴重な作品ということでいい機会だったと思います。ジャック・ドゥミもそれほど観たわけではないのですが、彼の作品の一本として記憶しておきます。コクトーの美術館ともいえるような別荘の室内、自分自身がフィルムに本来の色合いが映し出されるか心配する話もありましたが、本物を観る必要がありますね。

60代女性
2本ともしゃれた映画でした。2本目は重くならず、反戦メッセージが最後に出てきて素敵でした。アニメになったらいいのにと思わせる作品群も良かったです。言葉が足りず済みません。ありがとうございました。

40代
コクトーの多才さがよく分かった。トークが面白かった。

60代女性
<グレヴァン蝋美術館> 最初は偽物ー本物、幻ーリアルなどの二項対立が入れ替わるような感じでしたが、蝋人形ー元の人間ー演じる役柄などの複層化や、視点の移動に伴う空間の迷路化や外との出入りなど、視点、空間、概念の混沌がリンクしているように感じました。 蝋人形館ということもあり、造形そのものはセンスのあるキッチュさがあり、見ていて楽しかったです。
<サント・ソスピール荘> まず、フィルムで再現された色が印象的でした。今、若い世代の人たちがわざわざ古いカメラで撮影したりアナログレコードの音を味わったりする気持ちが少しわかった気がします。 カメラの動きと共に観る者の視点が移っていく中で、タトゥーアートは誰もが目に付く壁面に、閉じられた場所には色彩鮮やかな絵画が収められている(かつ画風がかなり異なる)ことの意味について考えさせられました。 冒頭、理解できなくても心で受け止めろというようなメッセージがありましたが、「考えるな、感じろ」ではなく、「考えろ、感じろ」と言われているように思えました。 最後に反戦とも取れるナレーションが挿入されていたこともあり(ピラネージを思わせる塔が背景に収まっていたことも合わせて)、社会的メッセージもあったのではと思います。

※前回の感想で判読不明となっていた部分について訂正をいただきました。ご覧になったのは『ゲームの規則』という、1939年にジャン・ルノワール監督が作り上げた作品です。恋愛に現をぬかす上流階級の人々を社会風刺的に描いた名作喜劇です。